各種予防 PREVENTION

予防の大切さ

ワンちゃんとネコちゃんの健康を守るためには、「予防」の意識を持つことが大切です。獣医療や予防医学の発達により、発症を防げる病気も多数あります。
ワクチンの接種は、それぞれに適した時期があるため、当院ではその子の成長に合わせた予防方法をアドバイスいたします。
ワクチンの接種や予防に関するご不明点やご相談は、当院にお問い合わせください。

避妊・去勢

避妊・去勢手術により、望まない妊娠を避けられます。また、手術によりオスやメスともに、将来かかる可能性がある病気のリスクを軽減する効果も期待できます。
避妊・去勢手術により、さまざまなメリットがあります。しかし、当院としては無理に手術を勧めることはありません。手術は全身麻酔が必要であり、ペットたちの体には少なからず負担がかかるからです。
避妊・去勢に関する正しい情報を提供し、メリットやデメリットもお伝えいたしますので、その上でご検討ください。

避妊・去勢を行うメリット

  • 避妊手術のメリット

    • 卵巣や子宮に関連する病気(卵巣腫瘍や子宮蓄膿症など)の予防が期待できる
    • 乳腺腫瘍などのホルモンに関連する病気のリスクが減る
  • 去勢手術のメリット

    • 前立腺疾患や会陰ヘルニア、精巣腫瘍や肛門周囲線腫の予防につながる
    • マーキングや過剰に吠えるなどの問題行動が減りやすい
    • 性格が穏やかになる子もいる

避妊・去勢のタイミング

避妊手術
生後6カ月頃または、初回の発情、生理終了から2か月経った頃の避妊手術をおすすめしています。
去勢手術
生後6~10カ月ころの去勢手術をおすすめしています。マーキングやスプレーなどの問題行動が気にならなければ十分に成長するのを待ちましょう。

ワクチン接種

ワクチン接種は、体内で特定の病気に対する免疫を作ることが大きな目的です。
免疫の獲得により、病気の発症や重症化の予防などが期待できます。ワクチン接種はペットたちの健康を守る以外に、他の動物や病気の伝染を防ぐという役割もあります。
特に代表的な例が狂犬病です。狂犬病は犬同士やヒトにも感染し、その致死率は100%ともいわれています。世界では未だに狂犬病による感染例が多数ありますが、日本ではみられません。その理由は狂犬病ワクチンの接種を法律で義務化し、非常に厳しく感染予防に取り組んでいるからです。
ご自身の大切な家族であるペットの健康はもちろん、周囲の動物たちやヒトの命を守るためにも、必要に応じたワクチンの接種を意識しましょう。

犬のワクチン

ワクチンの効果を最大限に高めるには、適切なタイミングでの接種が大切です。
ワクチンは健康状態や体質により、接種に伴う副作用のリスクや十分な効果を得るのが難しくなる可能性もあります。
当院では事前の検査を通じて健康状態を見極め、リスクを最小限に抑えたワクチン接種を徹底しております。

当院で取り扱っているワクチン

狂犬病ワクチン
狂犬病は犬同士はもちろん、ヒトを含めるほ乳類にも感染する非常に恐ろしい病気です。発症による死亡率は100%といわれており、生存は過去に数例しかありません。日本では狂犬病ワクチンの接種が、法律で義務付けられています。生後90日を迎えてから30日以内に、所在地の市区町村の窓口で登録が必要です。登録により「鑑札」が交付されます。初めての狂犬病ワクチン接種後は、年に1回の接種を必ず行いましょう。
混合ワクチン
混合ワクチンの接種は任意です。初めての接種では、接種時期や混合ワクチンの種類によって、その後の接種回数が異なります。
ワクチンアレルギーが強いワンちゃんに関しては、抗体価の測定や抗アレルギー薬の投与などを行い、十分な抗体価を獲得できていれば、当年のワクチン接種を見送ることがあります。また、他のワクチンに切り替えるなど、代替案のご案内が可能です。

猫のワクチン

ネコちゃんのワクチンは、3種と5種の混合ワクチンをそれぞれご用意しております。接種時期の目安は、子猫の場合は生後60日を目安に1回目、生後90日以降に2回目の接種を行い、その後は年1回の追加接種をおすすめしております。
接種する混合ワクチンは、ネコちゃんの生活環境に合わせて選ぶことが大切です。まずはお気軽に当院にご相談ください。

当院で取り扱っているワクチン

混合ワクチン
混合ワクチンにより、ウイルス性鼻気管炎・白血病ウイルス・カリシウイルス・パルボウィルス感染症・猫クラミジア感染症など、さまざまな伝染病を予防する効果が期待できます。

フィラリア症予防

フィラリアとは蚊を媒介にして感染を引き起こす寄生虫です。体内にフィラリアが入り込むと、最終的に心臓や肺動脈にも寄生し、命の危険に関わる恐れもあります。
特にワンちゃんに多くみられる病気で、循環障害が現れます。
フィラリア症は発症すると、完治が難しい病気です。フィラリアによる影響を防ぐには、必要なタイミングで処方されたお薬を投薬する以外に、年1回の予防接種によっても予防が期待できる感染症です。

猫のフィラリアにも注意

フィラリアはネコちゃんにも感染する恐れがあります。発症すると多くは呼吸器に関連する症状が現れます。初期の頃は咳・嘔吐・呼吸困難などから始まり、さらに悪化すると急性肺障害や突然死のリスクも高まるのです。
ネコちゃんにおけるフィラリア症の感染率は全国平均で約10%であり、関東地方では約5%という報告があります。一方で事前に予防している場合は、ほとんどが感染せずに健康でいられます。

ノミ・マダニ予防

ノミやマダニなどの寄生虫は、ワンちゃんやネコちゃんの皮膚や体毛に付着します。吸血により痛みを引き起こし、細菌が体内に入り込んで病気につながる場合もあります。また、人間にも寄生する恐れがあり、早期の駆除・治療が必要です。

ノミ

ノミは温度などの環境が揃うと、非常に強い繁殖力を持つ寄生虫です。外からもらったノミがワンちゃんやネコちゃんの体表で産卵し、卵が室内で床に落ちてしまうことがあります。室温が約18℃以上であれば、畳やカーペットの隙間などに入り込んだ卵が孵化し、幼虫からサナギへと成長していきます。
ゴミや食べかすをエサにして成長し続け、家の中にノミが大発生してしまうのです。ペットたちのみならず、人間の生活にも多くの悪影響を及ぼすため、注意が必要です。

マダニ

マダニは草やぶなどに潜んでおり、草や葉の先端部分で寄生する機会を狙っています。外でマダニは感覚器官(センサーのようなもの)を使って、動物が発する二酸化炭素を感知し、散歩をするワンちゃんやネコちゃんの体に寄生します。
マダニの特徴は、吸血することです。吸血前と吸血後のマダニは、体重が約100倍も異なるといわれています。

ノミ・マダニ予防期間と予防薬

ノミやマダニに感染すると、治療期間が長引きます。そのため、事前の「予防」が重要です。春や夏などの暖かい時期のみならず、冬などでも条件が揃えばノミやマダニに感染してしまう子もいます。
1年を通じて、継続した予防を心がけましょう。月に1回の投薬で予防につながります。

マイクロチップ

マイクロチップの役割は身元証明のようなもので、ID番号が入ったチップを皮下に埋め込みます。特に活躍するのが、ペットたちが迷子や盗難、災害などに遭ったときです。専用の読み取り機を使用し、ペットの身元を明らかにできます。また、海外旅行の際は、動物検疫の際にペットのパスポートとして利用が可能です。
ID番号に記憶されているペットと飼い主様の情報は、個人情報保護法によってデータベース化されています。動物病院や保健所などで必要に応じて、インターネットから24時間の照会が可能です。

災害避難時に慌てないために

  • 健康状態の把握。定期的な血液検査、レントゲン検査、超音波検査をおすすめします。
  • 毎年の混合ワクチン接種。避難先での感染症予防に必要です。
  • ノミ・マダニ予防。
  • ワンちゃんもフィラリア予防が必要ですが、ネコちゃんもフィラリア症にかかることがあります。当院ではネコちゃんの予防薬も用意しています。
  • 基本的なしつけ。無駄吠えをしない。トイレのしつけなど。
  • 色々な品質の良い食事に馴らしておく。

などがあります。災害時には、私たちも大切なペットにも大きなストレスがかかります。
そのような状況を乗り切るためにも、普段からの予防と健康状態を把握することがとても大切です。

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